今 週 の レ シ ピ

○当学園は今週(7月25日〜7月30日)、5週目のため休講となります。

[特集] 健康を考えて  V

   T.野菜をいっぱい食べよう(2月掲載)
   U.海草を工夫して(5月掲載)
   V.大豆製品は毎日
   W.魚を主菜に(10月掲載)

V.大豆製品は毎日

大豆の栄養はたんぱく質と脂質が主成分で、質量ともにすぐれています。それは成人病予防に効果があり、老化防止、動脈硬化防止、さらに、糖尿病にも効果があるとされています。
しかし、成分組織がかたいため、消化吸収率はあまりよくありません。やわらかく戻して加熱するか、組織をくだいて「きな粉」「豆腐」「納豆」などの加工品にすることで、消化吸収率をあげることができます。
加工品には、豆乳、豆腐、納豆、味噌、きな粉、油揚げ、凍り豆腐、ゆば・・・まだまだたくさんあるでしょう。何か一品を材料にした料理を、毎日の食卓にのせるように心がけましょう。

◎白菜の豆乳煮    49kcal. 塩分0.8g

白菜の豆乳煮 [材料]  -6人分-

・白菜500g
・干しエビ15g
  炒め油大さじ2
◎A
  中華出汁(だし)1カップ
  塩小さじ2/3
  酒大さじ1
◎B
  豆乳1カップ
  片栗粉(かたくりこ)大さじ1強
・塩、胡椒(こしょう)適宜
・ハムのみじん切り薄切り2枚分

[作り方]

  1. 干しエビは湯50cc位につけて戻し、荒く刻む。つけ汁はとっておく。

    湯につけて戻す 刻んだエビとつけ汁

  2. 白菜は、長さ7cm位に切り、茎の白い部分は巾1cm位に、葉先は巾3cm位に切る。

    茎の部分 葉先

  3. 中華鍋に炒め油を熱し、干しエビをサッと炒め、白菜の茎、葉先の順に炒める。

    干しエビを炒める 茎を炒める 葉先を炒める

  4. Aとエビのつけ汁を加え、ふたをして、中火で10〜12分煮込む。

    つけ汁を加える ふたをして煮込む

    豆乳と片栗粉を加える

  5. 白菜を片側に寄せ、煮汁の中にBを加え、塩・胡椒で味を整える。
  6. 皿に盛り、ハムのみじん切りを散らす。
ポイントはここ
  • 最近では、中華料理用の「干しエビ」をスーパーでも売っていますが、もし、手に入らない場合は、「さくらえび」の干したものを使ってください。または、「干し貝柱」を戻して使ってもおいしくできます。
  • 白菜に限らず、食材の切り方は、仕上がったときに全体が違和感がないように、つまり、歯ごたえや味のつき方が均等になるように心がけ手ください。
    炒める順序も同様です。
  • 白菜が柔らかく煮えるのには少し時間がかかります。中火でふたを忘れないで、しっかり煮て下さい。
  • 水溶き片栗粉でとろみをつけるより、豆乳が1カップありますので、部分的に固まってしまうことはないでしょう。
ちょっと一言
  • この料理は、「白菜の牛乳煮」をヒントに、「大豆製品」の豆乳におきかえてみました。他にも、「牛乳」を「豆乳」におきかえて、おいしくいただけるものを探してください。いきなり、全部をおきかえなくても、先ず、三分の一、半分・・・と試してみてはいかがでしょう。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■どっちだろ? (第58回富士登山競争)

富士登山競争(7月22日=金曜日)が終わった。完走率5割を切る日本一過酷なレースといわれるこの大会に、今年もまた「出てしまった」(?!)
そのつもりは毛頭なかったのだ。家族をはじめ周辺にも、参加しないことを宣言していた。走ろうという気力がまったく湧きあがらず、長いこと沈殿したままだった。

去年の8月以来、マラソンの大会はご無沙汰である。普段の練習にも身が入らず、週に1度走るか走らないかのテイタラク、「市民ランナーでござる」とはおよそ名乗れるシカクはなかった。

それが大会のひと月半前である。1本のメールが入ってきた。
―富士登山競争の記事、お願いしたいんですが…。

月刊誌『ランナーズ』の編集部からである。じつは、同誌の「山梨通信員」なるものを5、6年続けている。毎月、当該誌のモニターをしたり、参加した大会記事を書き送ったりするのだが、この1年走っていないのだから、活動はほとんど停止状態にあった。

いまさら何を。現在の心境を正直に言って、通信員も返上するつもりだった。それがメールのさいごに、
―わたしも今年は申し込みました。やるからには完走をめざしたい〜

若い編集者のそのことばにググッときた。イキオイから、ついつい見得を切ったのだ。
―がんばりましょう、おたがいに!

返事を送ってから、しまったと思ったが後の祭り。女房も、「知りませんよ」とニベもない。さあて、どうするか。慢性的な練習不足のところへ持ってきて体重は3キロ増。いくら気持ちをひきしめても、体をしぼらないことには話にならない。

本番まではひと月半。この時期は、通常トレーニングに負荷をくわえて登山競争用の体力に仕上げる最終段階である。もとの体にもどせるかどうかもわからないのに、とんでもない約束をしたものだ。

去年も似たような状況だったが、今年はさらに後退、最悪である。こうなれば、地の利を生かして、コースを試登する以外に勝機はない。富士山頂まで3度それをおこなって当日のレースにのぞんだ。

大会には便利なサービスがある。メールアドレスを登録すると、そこへ出走者の3箇所の関門所とゴールの到達タイム・予測タイムをリアルタイムで配信してくれる。つまり、応援の留守家族は、いながらにして選手の記録が逐一報告される仕掛けである。馬返し、五合目、八合目、ゴールのそれぞれに2時間半、4時間、4時間半のタイムリミットが設定されていて(馬返しはない)、時間内に着かないと失格する。全部わかってしまうのだ。

7時30分に富士吉田市役所をスタートした。最初の11キロ区間(馬返しまでの舗装路)ですでに顎があがり、腰がひけていた。止めようと、なんど思ったか。いくらなんでもここでリタイアしたら情けない。なんとかガマンで1:07:36。(留守宅には予測ゴールタイム=4:24:42とともに送られる。走者にはわからない)

登山道に入って、両の足のふくらはぎが痙攣をはじめた。えーっ、もう。このままでは上まで持たない。給水所で膝から下に水をかけ、塩をなめる。痛みが遠のく。その後も意識して塩を多くとるようにした。

五合目を2時間6分47秒で通過、完走できるかどうかは五分五分だ(ゴール予測タイム4:26:06)。4時間以内に着かなければならない八合目には3:54:30。このメールを見た女房は、これでもう完走はなくなったと諦めたそうだ。この時点でゴール予測は4:31:55、制限時間の4時間30分を2分近く超えていた。去年、ここで予測したタイムぴったりにゴールしていたからである。ペースもだんだん落ちている。

当の本人も観念した。3回の試登で、いずれもここから山頂まで40分で行けなかった。もう無理、これまでだ。そう思った瞬間、乱れていた呼吸が安定した。歩速と息遣いのリズムが合ってきた。いわゆる「調子に乗ってきた」。それを短く早めにした。いけるかもしれない…。

山頂到達は4:28:38。滑り込みでぎりぎりセーフ。うれしさに、こぶしを振り上げゴールした。ちょっぴりだが、意地を見せることができた。家で女房も歓声をあげたという。

“勝利”の余韻にひたっている脇で、一人がうずくまって体をくの字に折っている。嘔吐だろうか、苦しそうだ。無理もない、疲労が極に達しているうえに空気が薄いのだ。んっ、 耳元にケータイがある。誰かと話している。ということは、嗚咽?! 完走後、感極まって感情を抑え切れないのだろう。号泣しているのだ。こっちより遅かったのだから、感激もひとしおに違いない。いいものを見た、と思った。

が、ちょっと待て。もしかしたら悔し泣きかもしれない。あとからゴールということは、すんでのところで完走を逃した可能性もある。1秒でも過ぎたら失格なのだ。そうだったら半端な悔しさではないだろう。泣きじゃくったとしても不思議はない。

さて、どっちだろう? 聞いてみたい。…とてもじゃないが、そんな勇気は起きなかった。(今年の完走率41%) (お)
(「第56回富士登山競争」「第57回富士登山競争」参照)


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